NASとクラウドストレージは、共に複数のデバイスからアクセス可能なデータストレージシステムですが、それぞれ異なる特徴があります。
この記事では、NASとクラウドストレージの違いと、NASのメリット・デメリットについて解説します。
もくじ
NASとは何か?クラウドストレージとの違いとは
NASは、ローカルネットワークに接続されたストレージデバイスであり、複数のコンピュータからアクセス可能な共有のデータストレージシステムです。
一方、クラウドストレージは、インターネットを介してアクセスするストレージサービスであり、オンライン上に保存されたデータをユーザーがアクセスできるようになっています。
NASは高速なファイル転送速度やデータセキュリティが強化されているため、企業内などでのファイル共有に適しています。
クラウドストレージは、高い可用性やバックアップ機能など、柔軟性に優れたストレージサービスとして、個人利用者や中小企業向けに人気があります。
NASのメリットとして高速なファイル転送やセキュリティが挙げられる
NASのメリットとして、高速なファイル転送が挙げられます。
ローカルネットワーク内でデータを転送するため、クラウドストレージよりも転送速度が速く、大容量のファイルでも高速に共有できます。
また、NASはRAIDと呼ばれる冗長構成で構築されているため、一部のディスクが故障してもデータの復元が可能であるため、データセキュリティが高いという利点があります。
さらに、NASにはファイル共有やバックアップなどの機能が備わっており、個人利用者や企業内でのデータ管理に最適です。
価格も故障しない限りは初期費用だけで使う事ができるので、ランニングコスト的にも長期で使う事ができればクラウドよりも安く済む事もあります。
NASのデメリットとして初期設定が複雑なことや耐久性が低いことがある
NASのデメリットとして、初期設定が複雑なことが挙げられます。
専用のオペレーティングシステムが備わっているため、初期設定や管理に専門知識が必要であることがあります。
また、NASは一定期間使用すると故障する可能性があるため、耐久性に関してはクラウドストレージに比べて劣るといえます。
クラウドストレージのメリットとして高い可用性やバックアップが挙げられる
クラウドストレージの最大のメリットとして、高い可用性とバックアップ機能が挙げられます。
クラウドストレージは、複数のサーバーがインターネット上に分散して存在しており、一つのサーバーがダウンしても他のサーバーが引き継ぐことができるため、高い可用性を実現することができます。
また、多くのクラウドストレージサービスには、自動バックアップ機能が備わっているため、誤削除やデータの紛失といった事故からデータを保護することができます。
例えば、ビジネスで使用するデータが格納されている場合、いかなる状況でもデータが失われることは許されません。
そこで、クラウドストレージを利用することで、常にデータが利用可能であり、バックアップが行われているため、データが紛失した場合でも復旧が容易になります。また、複数のデバイスから同じデータをアクセスできるため、チームでの共同作業にも適しています。
さらに、クラウドストレージを利用することで、データのバックアップ先を自社内で用意する必要がなくなります。
バックアップ先として別のサーバーを用意する場合、初期コストやメンテナンスコストがかかりますが、クラウドストレージを利用することで、これらのコストを削減することができます。
クラウドストレージのデメリットとしてデータ転送速度やセキュリティのリスクがあることがある
インターネットを介してデータを転送するため、NASに比べて転送速度が低く、大容量のファイルの転送に時間がかかることがあります。
また、クラウドストレージはサーバー上にデータが保存されるため、セキュリティのリスクが懸念されます。
そのため、セキュリティ対策が強化されているサービスを選択することが重要です。
また、クラウドストレージの利用には、通信費やデータ保存料金などの費用がかかるため、コスト面でのデメリットもあるといえます。
基本的には月額で費用が発生し、容量によって値段が異なるのでとりあえず入れておくなどの不要なデータが多いとその分コストも掛かるので保存するデータやファイルの管理が大切になります。
おすすめのNAS
個人的に初心者でも比較的安価でおすすめ出来るNASを紹介します。
Synology DS220j
自宅やオフィスでのファイル共有やバックアップ、データ保護などの機能を提供するNASのキットです。
2つのHDDまたはSSDを内蔵でき、RAID 1構成により、データの保護と冗長性を確保することができます。また、デュアルコアのCPUと512MBのメモリを搭載し、高速なファイル転送が可能です。
DS220jは、SynologyのDiskStation Manager(DSM)というオペレーティングシステムを搭載しており、Windows、Mac、Linuxなど複数のプラットフォームでのファイル共有や、モバイルアプリによるリモートアクセスもサポートしています。さらに、DSMにはさまざまなアプリが用意されており、ビジネス用途にはメールサーバーやVPNサーバー、個人用途には音楽や映画の再生アプリなどがあります。
DS220jは、初めてのNASを導入する方でも手軽にセットアップができ、シンプルで使いやすいデザインが特徴です。また、安価な価格帯で提供されているため、コストパフォーマンスが高いと評価されています。
※こちらはHDDが別売りとなっている為、用途に合わせたサイズでご購入ください。
互換性のあるドライブはこちらで調べる事ができます。
BUFFALO LS220D0602N
2ベイのNAS製品です。
6TBのストレージ容量を持ち、RAID 1モードでデータを保護することができます。
この製品は、シンプルで使いやすいWebインターフェースによる設定が可能で、初めてNASを導入するユーザーでも手軽にセットアップできます。また、FTPサーバーやWebアクセス機能、データバックアップ機能など、基本的なNASの機能を提供しています。
さらに、BUFFALO LS220D0602Nは、Time Machineに対応しており、Macユーザーが簡単にバックアップを取ることができます。また、スマートフォンやタブレット端末向けの専用アプリも提供しており、外出先からでもファイルの共有やアクセスが可能です。
この製品は、2つのドライブベイを備えているため、ストレージの容量を増やすこともできます。また、ファームウェアのアップデートも定期的に提供されるため、セキュリティ面でも安心して使用できます。価格帯も比較的手頃なため、初めてNASを導入するユーザーや個人ユーザーにおすすめの製品といえます。
おすすめのクラウドストレージ
Dropbox、Google Drive、OneDrive、Amazon Drive、iCloud Driveこの辺りは有名で使われている人も多いと思いますが、他にも使いやすいクライドストレージを紹介しておきます。
NTT西日本 おまかせクラウドストレージ
NTTのおまかせクラウドストレージは、企業向けに提供されるクラウドストレージサービスです。
顧客が所有するデータを安全かつ確実にクラウド上に保存し、必要なときにいつでもアクセスできるようにします。
このサービスでは、日本国内のデータセンターで運用されるため、セキュリティ面でも安心して利用できます。
また、運用管理やバックアップ、復旧作業などもNTTのエンジニアが行ってくれるため、顧客はストレージに関する運用管理の負荷を軽減することができます。
おまかせクラウドストレージは、容量の拡張が可能であり、オンデマンドで必要な容量を追加することができます。また、APIを利用したシステムとの連携も可能であり、既存のシステムとの連携を容易に行うことができます。
このサービスは、データセンターにあるストレージを共有するため、低コストでの運用が可能です。さらに、クラウドストレージに必要な機能が全て揃っているため、導入や運用に関するコストも削減することができます。企業が大量のデータを安全に、かつ効率的に管理するためのクラウドストレージサービスとして、NTTのおまかせクラウドストレージは高い評価を得ています。
Xserver Drive
Xserver Driveは、日本の株式会社クロスヘッドが提供するクラウドストレージサービスです。ユーザーは、自分のデータを安全にクラウド上に保存し、いつでもどこでもアクセスできるようになります。
このサービスでは、ユーザーが使用する容量に応じた月額料金が発生し、必要に応じて容量の追加も可能です。また、PCやスマートフォン、タブレットなどから容易にアクセスできるため、外出先でも手軽にデータを閲覧できます。
Xserver Driveでは、セキュリティにも配慮しており、SSL/TLS暗号化通信や、二段階認証などのセキュリティ機能が提供されています。また、不正アクセスやデータ紛失などのリスクに備え、データのバックアップも自動的に行われます。
さらに、Xserver Driveでは、複数のユーザーでファイルを共有することができます。共有したいファイルを指定し、共有先のユーザーを招待することで、複数の人が同じファイルを編集したり、閲覧したりできます。
Xserver Driveは、使い勝手が良く、セキュリティも高いクラウドストレージサービスとして人気があります。
NASとは何?クラウドとの違いとメリット、デメリットの説明【まとめ】
NASとは、Network Attached Storageの略で、ネットワークに接続されたストレージ装置のことを指します。NASのメリットとしては、高速なアクセス速度や大容量のデータを安定して保存できることが挙げられます。また、複数のユーザーでファイルを共有することができるなど、ビジネスや家庭でのデータ管理に便利な機能が多くあります。
一方、クラウドストレージのメリットとしては、高い可用性やバックアップ、外部からのアクセスが容易であることが挙げられます。また、クラウドストレージは、自宅にNASを設置する必要がないため、手軽に利用することができます。
しかし、クラウドストレージの場合、ネットワークに依存するため、通信速度によってはアクセス速度が遅くなることがあります。また、セキュリティ上のリスクもあるため、重要なデータを保存する場合は、適切なセキュリティ対策が必要となります。
つまり、NASとクラウドストレージにはそれぞれメリットとデメリットがあり、どちらが優れているかは状況によって異なります。ビジネスや家庭でのデータ管理には、自宅にNASを設置することで、安全かつ高速なアクセスが可能になります。一方、外部からアクセスすることが多い場合や、大量のデータを管理する場合には、クラウドストレージが適しています。
それでは、読んでいただいてありがとうございました!